Model School

では、理想の
教育機関とは

実際の教育機関で、何が動いていれば理想に近いと言えるのか。ひとつの予備校を例に、四つ挙げます。

←三つの誓い

序

はじめに、距離を書きます

この文章には、実名の予備校が出てきます。レクサス教育センターといいます。医学部受験の予備校です。先に関係を書きます。The School.School の運営者が関わっている教育機関で、スクール基幹システムは、ここに開発を監修していただきながら作りました。実装先でもあります。

ですから、これは外から公平に採点した記事ではありません。関係の近い人間が「理想に近い」と書いているだけだ、と読まれても仕方がない。関係を伏せたまま実名を出せば、第三者の評価のように見えます。そう見せてから、あとで関係を知られるほうが、書いてあることごと信用を失います。

それでも実名で書くのは、具体を出さずに済ませることが、一番聞きたいところを飛ばすことだからです。教育機関として、何が動いていればいいのか。近い立場から書ける具体を出して、距離のほうは先に開示する。そういう形にしました。

一

生徒ひとりの現在地が、見えていること

教育でいちばん難しいのは、教え方を選ぶことではありません。いまその子がどこにいるかを掴むことです。点数の推移、出した課題、答案の中身、つまずいた場所、志望校との距離。正しい方法は、正しい相手に届いてはじめて成果になります。

ところが、これらは別々の場所にあります。出欠は受付の記録、成績は担当講師の手元、課題の提出状況は教室ごと、請求は事務。同じ生徒の話なのに、ひとつの画面には並びません。並ばなければ、あいだを埋めるのは担当者の記憶になります。担当が替われば、そこで切れます。

レクサス教育センターでは、生徒台帳・出欠・成績が同じ土台に載っています。生徒ひとりの画面を開けば、いま起きていることがそこに揃う。珍しい機能の話ではありません。ただ、揃えるのは、思っているより難しい。

台帳 出欠 成績 請求 別々の場所にある 台帳 出欠 成績 請求 受付 ひとつの土台 生徒ひとりの画面に、揃う
揃っていないぶんは、担当者の記憶が埋めている。担当が替われば、そこで切れる。
二

記録が、次の一手に使われること

記録は、残すだけなら手段が目的になります。出欠を取っても、それが翌週の組み方に返らなければ、ただの作業です。書く人の負担だけが増えて、書かれたものは誰にも読まれません。

見るべきなのは、記録が判断の材料として実際に使われているかどうかです。欠席が続いている生徒に、担当以外の誰かが気づくか。成績の落ち方が、出している課題の量の話につながるか。記録から次の一手が出てこないなら、その記録は要らない、という判断すらありえます。

レクサス教育センターでは、運営の記録と、生徒が実際に学ぶ場所とが、同じ運営のもとで動いています。学習の側で起きたことが、運営の側から見える。繋ぎ合わせるための仕事が、そのぶん要りません。

三

家庭にも、同じものが見えていること

ちゃんと通えているか。いま何をやっているか。今月はいくらか。保護者が知りたいのは、この三つです。込み入った分析ではありません。

電話と面談で届くのは、聞いた分だけです。聞く時間が取れるかどうかで、受け取れる情報の量が変わります。

レクサス教育センターでは、保護者向けの画面が動いています。出欠、授業の記録、請求の内容。聞かなくても、見えます。連絡の手間が減るというより、届く範囲が変わります。

四

事務が、教える時間を削らないこと

良い先生ほど、教える以外の仕事に時間を取られます。振替の調整、請求の確認、名簿の突き合わせ、保護者への折り返し。どれも必要な仕事で、どれも授業ではありません。

この時間を削っても、誰にも褒められません。数字にも出にくい。それでも、削った分はそのまま生徒のほうへ向かいます。教える人が教えることに使える時間の量は、教育機関の質そのものです。

申し込み、コマの追加と振替、請求と入金、返金。これらが生徒台帳と同じ土台に載っていること。分かれていると、突き合わせという仕事が毎月生まれます。誰も価値を生んでいないのに、誰かがやらなければ回らない仕事です。

結

理想は、遠くにない

挙げた四つは、どれも派手ではありません。生徒の情報が揃っている。記録が判断に返る。家庭にも見えている。事務が授業を削らない。新しい教育法でも、めずらしい設備でもありません。

それでもロールモデルとしたのは、この四つが同時に、毎日、実際に動いているからです。難しいのは、四つ同時に、しかも平日の営業日ごとに動かし続けること。理想の教育機関とは、この地味な四つが同時に立っている状態のことだと考えています。

完成形だと言うつもりはありません。足りないところは中にいるほうがよく見えます。数字も、この文章には出していません。生徒数も合格実績も、確認が取れたものだけを載せる決まりにしているためです。ここに書いたのは、確かめられる範囲のことだけです。

最後に。この四つは、机の上で思いついたものではありません。ここで毎日回っているものを、あとから言葉にしただけです。作りかけの道具を、生徒と保護者が関わる場所で使うという判断をしていただきました。監修していただいたこと、実装の場をいただいたことに、感謝しています。

Statement

知識は、
フリー素材。

ひとつの予備校で成り立っている運用は、そこに留めておく理由がありません。動くと分かったものを、他のスクールにも渡していきます。そのための道具が、スクール基幹システムです。